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晚來天遇雪

どんな中年オジサンになっているんだろう


今では、枯山水のお玻璃屋バア にも、若い頃がありました。
ボーイフレンドは、4才年下のカワイイ男子、名前はトモクン。
大阪市内でも有数の高級住宅地に住む、オボッチャマでした。


トモクンは、オボッチャマの例にもれず、中学からは私学の一貫校に通っていた。
一応、大学生ではあったが、知能指数は(おそらく)いいのだろうけれど、
驚くほど学力は低く、学力コンプレックスを根強く持つおバアだったが、
世の中には、上には上が、下には下がいることを思い知った。
それよりもなによりも、本人は全く、コンプレックスを持っていないことに、とても驚いた。

でも、ヘンな理屈をこねまわすでもなく、なんの曇りもない目と心を持つ、純粋で従順なトモクンだった。
子供か、ペットが変身して、ひょろひょろと背の高い男子になった、そんなかんじだった。
純粋な馬の目を見た時にも思ったけれど、濁りのない眼でまっすぐ見る眼差しには、
世の中の汚れなんて、見えないのだろうな・・・。
おバアは、こんなトモクンが大好きだった。

ある日、トモクン、20才のお誕生日のこと。
「チッチッチッ、チーッ」と、時計の針が、誕生日の時刻を刺した時、20才を迎えた彼は言った。
「今、オレ、変わった? 大人になった?」
彼は(生物として)20才高血壓食療になれば、同時に、自動的に、大人になると信じていたようだ。
狼男が月夜に変身するみたいに、20才の誕生日に突入すると、中身も外見もきっちり20才に変わるはずなので、
その変化が、外から見て、わかる?という意味なのだけれど。
その考え自体に衝撃を受けた。
この子、本気なの? 本気でこんなこと信じてるの?
びっくりも、ビックリ。
20才にもなって、こんな子がいるんやー、と。
サンタクロースも、きっと、本当にいるって、信じてるに違いない。


彼は、そもそも、おバアの親友と付き合っていた。
おバアは、それを奪った(というカタチになってしまった)。
しかも、おバアには前歴も数回あった。
おバアは今でこそ、普通で、マトモだが、若い頃は、結構、ひどい人だった。
反省、懺悔。
しかし、おバアが、けしかけたのではなく、勝手に向こうがフラフラなびいてきたのだが。
オトコという生物は、そういう傾向にあるようだ。
まあ、断らなかった、おバアも悪いけれど。


「オレのオヤジ、アパート経営してるねん。オレ、長男やから、それ全部、引き継ぐねん。」
というトモクン。
将来にわたり、現金収入の道は確保されていて、アクセクしなくていい、というかんじだったけれど、
大人になるにつれ、色々学ぶこともあるんだろうなぁ。

「オカンに、『あんた、立派なお嬢さんと歩いてたけど、誰なん?』って、聞かれてんけど、
オレ、日記書くの面倒やから、その日あったことや、感じたこと、みんなオカンに話してるねん。
オレの代わりに覚えててくれて、便利やで。」


なにしろ、トモクンのエピソードは尽きません。
純真無垢で、オツムは少々弱いけれど、愛すべきキャラ。

トモクン、あんなに従順だったら、おバアより個性の強い、吸引力のある人が出現したら、
また、そちらになびくと思う。
こっちになびいたり、あっちになびいたり、クラゲみたいに、大海をゆらりゆらり、ふらふら。
そうなる前に、ピリオドを迎保養肌膚えて、幸いだったのかも。

元祖、草食系男子、トモクン
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